【人事の仕事(11)】育児・介護等との両立支援
大企業メーカーの人事として
10年間を過ごす中で学んだ
「人事の仕事」についてまとめていきます。
11個目は「育児・介護等との両立支援」です。
1.育児・介護等との両立支援とは
労働人口が減少し
優秀な人材の確保が難しくなっている中、
家庭に様々な事情を抱えた方に
家庭と仕事を両立して働き続けてもらうことの
重要性はますます高まっています。
代表的なものは育児・介護との両立。
2022年には育児介護休業法の改正があり、
産後パパ育休が新設されるなど、
男性が育児と仕事を両立できる環境を整え、
共働きしやすくすることに国も力を入れています。
そのほかにも、
癌などの疾病治療との両立や
不妊治療との両立などもニーズが高まっています。
2.育児・介護等との両立支援の進め方
2−1.法律や国のガイドラインを知る
社員向けの制度を設計する前に、
法律や国のガイドラインを勉強します。
両立制度関係は厚生労働省が
ガイドラインやマニュアルを出しているため、
制度設計の進め方や環境認識のために
まずは一読するのがおすすめです。
育児介護休業法
育児介護休業法の概要や、
企業担当者向けのポイント解説です。
介護との両立 厚労省ガイドブック
いわゆる2025年問題に向けて、
介護との両立制度の整備は喫緊の課題です。
介護休業制度の概要や事業主向けのポイント解説です。
疾病治療との両立 厚労省ガイドライン
今や癌は働きながら治す時代。
癌以外にも脳血管疾患や指定難病など
疾病と仕事の両立のためのガイドラインです。
不妊治療との両立 厚労省マニュアル
不妊治療は、通院回数の多さや
精神面での負担の大きさなどから
離職につながりやすい傾向があります。
また、上司や同僚に相談しにくいと感じる人も
多いのが特徴です。
不妊治療と仕事の両立できる環境を整えるための
ガイドラインやマニュアルです。
2−2.制度を設計する
社員の人員構成や実際の困りごとを踏まえながら
具体的な制度を設計します。
両立制度と一口に言っても、
休職、特別休暇、時間短縮勤務など
様々な手段が考えられます。
社員のニーズや事由の特徴を踏まえて
制度設計を行います。
制度設計を行なった後は
就業規則の変更やシステムの改修等を行います。
2−3.制度の周知・風土醸成を進める
制度を設計するだけでは両立は進みません。
特に両立に対しては世代間での
認識の違いも大きいことがあるため、
人事として会社のスタンスを社内外に発信します。
マネジメント層の意識が変わらないことで
両立しにくい職場風土がある場合は
マネジメント研修などを通じて
継続的に意識変化を促します。
また、時には人事部で相談窓口を設け、
従業員からの相談に応じて
個別にマネジメント等に働きかけも行います。