K's blog

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【人事の仕事(12)】労務問題への対応

大企業メーカーの人事として10年間を過ごす中で学んだ「人事の仕事」についてまとめていきます。12個目は「労務問題への対応」です。

1.労務問題への対応とは

数千人、数万人規模の企業には本当に様々な人がいます。その分、企業で起こる問題も多岐に渡ります。

セクハラやパワハラが疑われる案件や、金銭問題や勤務管理の問題、就業規則違反などなど。問題が起これば都度、当事者の言い分や周囲へのヒアリングを行い、弁護士等にも相談しながら対応を決めていきます。

2.労務問題への対応の意味

人がいれば何かしらの問題は必ず起こります。重要なのは事態がおおごとになる前に火種の段階で解決に導くこと、さらにいうと事態が起こる前に予防をすることだと思います。

事態が大きくなると、従業員の誰かしらがつらい想いをすることになりますし、会社としても労基署の指導が入ったり裁判になったりすると色々な意味で大変です。また、ニュースで取り上げられれば世の中にネガティブな印象を与えることにもなります。

そうならないために、火種を拾い上げる仕組みを設け、拾い上げた火種を丁寧に消していきます。

具体的には、内部通報用の窓口を設けたり、エンゲージメントサーベイの結果が極端に低い部署を重点的に確認したり、サーベイの中で上司非公開の設問を設けて困りごとを吸い上げたり、様々な手段が考えられます。

労務問題の対応当たっては、個別の問題ごとに、従業員目線、会社目線で最適な解決策を探る必要があります。そのために、法務、人事、安全衛生などが合議しながら、落とし所を探っていきます。

能力開発や昇進管理などのいわゆる人材開発系の仕事とは異なり、少し暗い印象のある労務関係の仕事ですが、人が集まった会社という集団を維持運営するためには必須の仕事です。人事のプロになるためには避けて通れない分野だと言えると思います。