K's blog

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【人事の仕事(13)】メンタルケアと復帰支援

大企業メーカーの人事として10年間を過ごす中で学んだ「人事の仕事」についてまとめていきます。13個目は「メンタルケアと復帰支援」です。

1.メンタル疾患

規模の大きな会社では、メンタル疾患で会社をお休みしている方が一定数おられると思います。業務上やプライベートでの様々なストレスが原因で鬱症状や適応障害の診断が出て、一定期間会社をお休みされる形です。

休業まで至ってしまうと会社は貴重な戦力を失うことになりますし、本人としても健康面や収入面で不安な日々を過ごすことになります。

そのため、会社としては
・予防のための取り組み(メンタルケア)
・休業に至った後の復帰支援
の両面での取り組みが必要です。

 

2.メンタルケアと復帰支援

2−1.予防のための取り組み

メンタル疾患を予防するためのアプローチとしては、健康診断や健康相談の機会をとらえた安全衛生機能によるものと、各種サーベイ等の機会をとらえた人事労務機能によるものがあります。

いずれの場合においても、人事・安全衛生の双方が、常に従業員の心身の健康を気にかけ、黄色信号の合図に気付いた時に必要な対応をとることが重要です。休業に至ってしまうと復帰までの期間が長期化してしまいますので、この段階でサポートに入り、医学的な見地も踏まえて対策がとれることが望ましいです。

2−2.復帰支援

黄色信号をキャッチできず、休業に至ってしまった場合、本人が心身の健康を取り戻すことが第一優先ですので、まずは療養に専念してもらいます。

心身の健康が回復し、主治医からも復職に向けた準備を進めていいと許可が出れば、本人・主治医・産業医・人事・職場でコミュニケーションをとりながら、復職に向けた準備を具体的に進めていきます。

復帰にあたっては、休業に至って経緯や本人特性も考慮しながら、付与する業務や配置などを決めていきます。例えば特定の上司との関係性がうまくいっていなかったことが休業の一因である場合などは、職場を変更して復帰をしてもらうなど、きめ細やかな対応が必要とされます。

休業の場合、ほとんどの会社では休業可能期間が設定されており、一定期間休業が継続した場合には休業満了退職となってしまいます。そういった意味でも、休業に至る前の段階で黄色信号を察知し、対策を打てることが本人にとっても会社にとっても望ましいことであると言えます。